2014年12月22日月曜日

12/11 第7回mirai Conference

今回の講師は株式会社グラグリッドのエクスペリエンスデザイナー三澤直加様です。

司会進行は袴田です。

まず始めに三澤様の紹介です。


2000年金沢美術工業大学プロダクトデザイン卒業。
株式会社U’eyes Designにて、情報機器のユーザインタフェースの開発、
GUIデザインに携わり、同時に商品企画のための質的調査を多く手がける。
2011年に株式会社グラグリッド設立。課題発見と仮説構築を中心に、
経験価値の創造のためのコンサルティング、デザイン支援を行なっている。





次に三澤様の講演内容についてのお話です。

企業を変えること(グラフィックパシリテーション)
→作り方を変革するパワー


【ものづくりの仕方が変わってきた?】


依頼内容は時代とともに変わってきている
今、多くの企業は困っている
今までのままではうまくいかない
これまでにない新しい価値を...

例)
 いいものを作りたいから手伝って!
→いいものをつくりたいけどどうすればいい?

 課題を分析して教えて!
→課題をみんなで共有する仕組みをつくってほしい

 組織の文化に合わせて提案してほしい
→組織を変えるためにはなにができる?

というように
「これまでにない価値を自分たちの手で発見し作り出す企業に生まれ変わろうという動き」
になってきている。




【ファシリテーションによるデザイン】


ーサービスのデザインー
人はどういう時に感動するのか?
例)最高のホテルに泊まる→なぜいいと思っている?

ープロセスのデザインー
ものづくりの流れを変える
例)どう改善したら資産を守れるか?

ー会議のデザインー
ファシリテーションをやりながらみんなに刺激を与える
例)発想を誘発する道具で刺激、体を使う進行計画

ー出会いのデザインー
課題が同じ企業と企業をつなぐ
例)サービス・ピロダクト&ファシリテーション&ソーリズムで
新しい旅行体験を考える



「学生時代」

毎日、つなぎを着て溶接をしていた。
いろんなコンセプトでものつくりをしていた。
デザインで大事なことはなにか考えていた。



【わたし達にもできること】


「使いやすさ日記」
日々、何が使いやすくて何が使いにくいかを言葉にして載せる

1個書いたら、もっと具体的なものを作れないかな
この言葉とこの言葉はなにが違うのかな
と訓練していくことが大切

「なぜ感動したのかレポートを書く」
長期的に書くことで人に評価してもらう



という内容のお話をして頂きました。


続いて質疑応答です。
今回は聞いてみたいこと(黄色)、一緒にやってみたいこと(青)を
付箋に書いてホワイトボードに貼って三澤さんに答えていただきました。





 

Q.学生のうちにやっていた方がいいことはありますか?


全然違う分野の勉強をしたい。今の経験と知識を持ったうえで
もう一度学生に戻れるとしたら、国の良さとか助成金をどう使うかなどを調べ倒して、
自分で大きな仕事を、学生だからできることをやると思う。
学生のうちにやっておいた方がいいと思うことは「真剣にやること」ですね。
大勢で遊ぶ。15人以上でバカみたいに遊ぶ。
社会人になったら一気にできなくなってしまうので。
合コンとかではなくて真剣にクリエイティビティを競い合う飲み会だとかを
やるのがすごく大事だと思う。幹事に命を懸けるみたいな。
そういうことがないとプロデュース業とかはできないと思う。
誰かを口説き落として連れてくるとか。ドレスコードを決めて、
テーマを決めて発表してもらうとか、恥ずかしいことをたくさんやっておくといいかな。
技術としては、本を読むことは社会人になってからでもいくらでもできるし、
文章も社会人になってからの方がどんどん伸びると思うし、
身体を使ってでしかできない事をもうちょっと意識してやるといいかなと思う。
学校の設備にしかない事、今のうちに工房を使っておくとか。
あとは学生だから許されるみたいなことは武器だと思うので、
むしろ生意気な感じになって、いろんな偉い人に会いにいってみるとか、
行動的な事をしてみるのもいいかもしれない。


Q.どんな仕事をしている時が楽しいですか? 


仕事は何をやっていても楽しいです。私自身が好きなことだと思う。
最初決めていたゴールがあってみんなで立ち向かっていく。
 どういうものを作ればいいか。コンセプトを一緒に探す仕事が多いんですけど。
あるときみんなで最初のゴールが間違っていたことに気づいたときに楽しいと思う。
あっ、違っていた。もう一回やり直そう、新しいコンセプトを決め直して、
その瞬間に色々なことが色鮮やかにこうあるべきだとかどんどん明確になっていく。
その現場いたみんなががんばるぞと言う感じになる。その瞬間が楽しい。


Q.どんな業界でも調査や観察する点に共通することはあるのか? 


業界によって調査する視点が変わることは、最近はもうほとんどないと
思った方がいいんじゃないか。むしろ企業とかマーケティングの成熟度で、
 みんなが好き勝手やっていることが大事な業界もあれば、
 新しく始まった分野で1個成功例を残すことが大事なこともあり、
 調べ方が違うので、業界というよりは、調査をして何を確認したいかで
 変わってくると思う。共通することがあるかどうかでいうと、
 深いことなのでここでは難しいことですね。


Q.考える力、発想はどういうときに?


これは出会った時にひらめくことが多い。
自分の頭の中から出るという事を大事にしている。
 違うところから情報をとってくる。
 違う分野から、あとは物でいろいろ考えるとか。
 大事にしているのは、「身体的感覚」手に取ってみて、
 これを困っている人のところへ持っていったら使えるかなとか、
 違うところに持っていったらどうか発想する。

 

 Q.体験を言葉にする時何かコツはありますか?


 ここはアナログな感じになるんだと思うんですが、
 書いては先輩に怒られるというのを繰り返す。
 まずはすごく言葉のことに敏感になる必要がある。
 いいかどうかを判断してもらえる人をまず探すこと。
 なんでもいいじゃんとかかわいいねという表現をしては駄目だと自分の中で基準をつくる。
 例えばこれ使いにくいですというのもレポートだったら出し直させる。
 使いにくいという言葉を10種類くらいで表現できないといけないと思っていて、
 例えば手の中に納まりにくいとか、右手でペンのように持ちにくいとか、
 何色がでるかわかりにくいとか、他の色との識別がしにくいとか、
 認知的な問題なのか、身体的な問題なのか、
 それとも長期的な利用状況の中でのことなのか、
 全部判断したうえで何が使いにくいのかをしっかり表現しなさいと言う。
 何か1個書いてみたら、もっと具体的に言えないかなということを付けてみる。

 識別と認識と見識と何が違うのか、辞書で調べながらやっていく。
 そういう訓練をずっとする。
 感動した時も、なぜ感動したのかレポートを書いてみる。
 実際にやった。嫌になるくらい。トイレに籠って泣いたことあります。
 レポートを書き続けなければならなくて、デザイナーになったのに
 なぜレポート書いているんだろうって泣いたことある。
 携帯電話の出始めの頃で、この機種はどこがどうでというのをやり続けた。
 その時に違いを説明するということをやっていた。書いてみる。長期的に。
 人に見せて評価してもらう。これを繰り返す事だけでもいいと思う。

 

 Q.求められる人材は? 


 ファシリテーションができる人材がいればいいなと思っている企業がほとんどだと思う。
 ただ、ファシリテーションがどれだけ効果があるかを
 わかっている企業が少ないんじゃないかな。
 ファシリテーションということばを知らない上層部もいたりするので、
 それを説得するのが難しい状態じゃないかな。
 もし就職活動する時に、ファシリテーションできますといっても
 そのまま伝わらない可能性ももしかしたらあるかもしれない。
 これをやるとどんな効果があるのか、例えば場を活性化させますとか、
 みんなの学習意欲が上がるんですとか。
 

未来研にとっても、個人にとっても
とても貴重で勉強になるお話を聞かせていただくとことができました。



講演会終了後、教室を移動して「ビアバッシュ」を行いました!
ピザやドーナツを食べながら、三澤様にたくさんお話を伺うことができました。



楽しそうですね!


また、ワークショップを開催!
「Graphic Recording」のロゴを作ります。


 和気あいあい!


一人一人の個性が出ていて見ていてとても面白かったです。
作品を集めてみると、圧巻!
これだけ作品があるのに、一つとして同じものがありませんでした。
個性が集まるとこんなにも楽しくなるのですね!
皆さん思わず「お〜!」という声をもらしていて
写真を撮っている人もいました。


 絵と同じポーズでハイ、チーズ!

楽しい時間もあっという間でした。


今回の講演会では三澤様からファシリテーションやデザインについて
貴重なお話を聞かせていただきまた、ビアバッシュでは
楽しいワークショップをやらせていただきました。

三澤様、お忙しいところありがとうございました。
また、ぜひ常葉大学に来ていただけたら嬉しいです!



そしてこの講演会、ビアバッシュに携わった大勢の方々、お疲れさまでした。
次回のクリエイター講演会もお楽しみに!


ビジュアルデザインコース2年 木田優衣

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