2013年12月13日金曜日

12/12 第2回mirai Conference


ついに始まりました!第2回、mirai Conferenceです!前回の反省点を踏まえ、綿密な下準備をいたしました。なんと参加人数60名以上!嬉しい限りですね。今回の講師はプロダクトデザイナーである花澤啓太様です。


司会進行は前回と同じく2年樽本です。今回は随分と肩の力が抜け、
リラックスしているようですね。よかったよかった。


まず始めに花澤様の商品の紹介です。随分と多く自身のサイトをお持ちのようです。
こちらは「KEITA HANAZAWA MAG DESIGN LABOLATORY」というサイトです。
オリジナルの靴やインテリア、松柏堂とのコラボ商品など、様々なジャンルに手を伸ばしているようです。

詳しくは下記のサイトを参照してください↓↓
mag design labo:http://mag-labo.net/
KEITA HANAZAWA:http://keitahanazawa.com/web/
Timeless Gallery&Store -ONLINE STORE:http://store.timeless.asia/

次に花澤様の経歴についてのお話です。
芸術大学で油絵を学んだ後、家具メーカーへ就職。企画デザイン職に配属されたが、そこで雑誌にあるようなモダンデザインと自分のデザインがかけ離れている事に気がつき、その後は家具工場へ入社。家具産地北海道旭川のメーカーへ入社。(判断基準はおもしろい、笑えると思えると予想したため)独立するためにcccへ入居。そしてMAG DESIGN LABを設立、現在に至る。
cccとはクリエーターの育成、コンテンツ産業の復興およびクリエーターを地域産業の連携等を推進する拠点として、クリエーター支援センター。名前の由来は「現代・創造・交流」の英訳の頭文字(Contemporary, Creative, Communication)。
「何か賞でも取れれば別だけどな」という社長の一言で厨子をGOOD DESIGNに出品、受賞。他の人の一言が転機となった。

商品を色々つくり、製品化する際「売る責任はあるのか」。いろんな人から問われる。「君のデザインは売れるのか、世界に通用するのか」「通用しないんなら君とはやらないよ」そういった話が出てくる。デザイナーによっては、受け入れる人、突き放す人、またはそれをビジネスに変える人などさまざま。自分としては自分の製品はいろんな人に見てもらいたいし、自分にできることがあるのならやっていきたいと思っている。


というお話をお話ししていただきました。続いて質疑応答の時間がやって参りました。
内容は以下にまとめました。


Q.企業と連携している商品がありましたが、ご自分でつくられた商品は、全てコンセプトを考えて表現のためにつくられたのですか?
A.メーカーと製品を作っている際に誰がこの先売るか、という話がでます。基本的にはメーカーさんがそれまで販売しているところで販売できるのが一番手っ取り早いですね。例えば、デザイナーさんがそのメーカーさんの雰囲気でないものを提案したとき、メーカーさんは「これでは今までの販売のところには買ってもえない」となります。その時、私が一個チャンネルを持っていると、私の方から販売店に別のプロモーションがかけられる。情報誌だとか雑誌、ネットなど、普段メーカーがないルートのアプローチができる。そういうところを一つ用意しようとしてオリジナルをつくったっていうのがあります。なので、メーカーさんが望むものももちろんデザインさせてもらいますが、やはりそれだけだとつまらないでしょう?「こういうのが本当は良いんじゃないですか?」っていう気持ちもあるので、そういうものも提案できるために、そういうチャンネルを用意しておく必要があると思って始めたのがきっかけですね。

Q.デザインに行き詰まったとき、どういったことからヒントを得るのですか?
A.間違いなくでてこないときはあります。デザイナーさんにも色々なタイプがいて、絵がいっぱい描ける人、図面がきれいな人…と色々特性があると思うんです。それはむしろデザイン事務所の特徴だと言えます。私の場合は「大量に絵が描けない」というのが特徴で、メーカーさんが何か提案してくれって言われたときに、何案も持って行けないんですよ。なんか結構気持ちが入ったやつを1点2点持って行くぐらいしかできないんです。どっちかというとアイデアが煮詰まる方なんです。そうなってくると体調は崩れてくるし、眠れなくなるし良い事はまったくないです。けどやっぱり締め切りが近づくと出てくるんですよね(笑)自分で決めた締め切りは実際の締め切りよりも早めで、そのぐらいになってくるとアドレナリンがおかしくなるんですよね。私の場合はデザインはほとんど言葉で構成されているので、キーワードが連結したときに「これでいける」となります。研究者が仮説をたてるのと同じように、キーワードという仮説をたてていったときに、それが連結したとき「これは提案してもいける」という感じですね。絵を描いてくれというお客様もいるので、まぁそれは描くだけなんですけど。細かなディテールについてこちらで考えますが、そういうときはアイデアに煮詰まる事はないですね。ただ「これをだしていいのか云々」というのはありますね。まったく違うものを出しても機嫌を損ねるだけなので、「こんなのも描いてきちゃいました」という感じに見せると喜んでもらえる事が多いですね。なので私は必ずお客様の要望をに応えて、さらにその要望を上回るものも提案するようにしています。それで私がアイデアに煮詰まったときの答えは…漫画喫茶に行きますね。6~7時間いて気分転換になるので、そういう感じですね(笑)

Q.学生時代や学外でも積極的な活動をしていたんでしょうか?
A.してないですね。正直学生の頃は何もしていなくて、20歳を海外で迎えたくてフランスに行った事はありますけどね。専門学生、働いている学生と比べ私は何年も後に同じステージにあがったように感じます。資格をとったり、経験値をためたり…スタートはかなり遅かったですね。

Q.座右の名はありますか?
A.逆に自分は自信がないですね。私は運良くccc関係で海外へ行くことができました。どっちかというと自分に自信がないから積み上げて行く方が安心。ここまでいったら次ここ。次はここというような感じです。これができるんだったらこれができるというような。仕事0の状態からお店とオリジナルとかデザインとかやらせてもらえるところまで来ました。地道に積み上げて行くということですかね。

Q.具体的にどういったことをcccで何を学んだんですか?
A.東京を介さずに静岡と世界をつなげるという理念のもとつくられました。cccからとにかく作品をつくれと言われました。でもそれは結構正しいと思います。その作品について誰かの裏打ちが欲しくていろんなものに応募しました。海外に行くと私は人見知りも激しいのであまり知らないところに行きたくないのですが、頑張って行くと結構いいことあったり。そんなことを学びました。

Q.和菓子屋と連携した経緯は?
A.自分が出る展示会は必ず新作を出したいなと思っていました。静岡市の美術館のエントランスに展示できる機会がありました。そのときタイトルを考えたいねとなりまして、もてなしのデザイン展という展示会になりました。それでビジュアルはすぐ思いつきましたが、お菓子屋さんとどうやって仕事をすればよいかわかりませんでした。色々なデザイナーさんの紹介であるお菓子屋さんを紹介してもらいました。そこの工場長にOKをいただき形になりました。

Q.大学時代は油絵をやっていたようですが、違う分野に手をだしたことで新しい発見をしましたか?
A.絵を描いていたので、基本的な部分といえばデッサン力に宿ると思います。でもそのデッサンはデッサンをやればうまくなるというデッサン力ではなく、「見方」。それを自分の中で消化して、自分の表現として出すか、世の中とコミュニケーションをとるためにデザインとして表現。デザインというジャンルをやっていてよかったなと思っています。

Q.学生時代油絵をやっていた過去から建築に進む際の知識、情報はどこから仕入れたのですか?
A.インターネットです。私は椅子をつくりたかったんです。椅子がつくれる、椅子の構造がわかる、というのが大事だと思っていました。それで引っかかったのが北海道のメーカーさんです。

Q.旭川の先輩からの理不尽な暴力に対して辞めたいと思わなかったのですか?
A.辞めたいと思ってましたね毎日。ビールがすばらしくて、しかも寝ると忘れる方なので、ビール飲んで寝れば良い(笑)それを毎日繰り返してまして。私が先輩や企業になにかできるはずないので。そんなとき何ができるか考えて、みんながやりたがらない朝の掃除などをしてました。嫌な仕事というのは必要な事だと思っています。朝掃除すると自分の気持ちも少し掃除されて白くなる感じがするのでそれでごまかしていましてたね。

Q.人からの発言で好転した他の事例はありますか?
A. 私は言葉に敏感というか大事にしているので、だいたい単純に受け止めますね。それが後々「あーよかったな」ということになってます。最近の例はありませんがそんな感じです。


質疑応答も終わり、今回も無事講演会を終える事ができました。この講演会に携わった大勢の方々、大変おつかれさまでした。講演会にきてくださった方は満足いただけたでしょうか。
次回のクリエイター講演会も楽しみにしてくださいね。アンケート結果等も後々facebookに掲載するのでよろしくお願いします。

ビジュアルデザインコース2年栗田志穂




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